1996年8月

 なぜか今頃になって赤ちゃん返りしてしまった長男顕。次男潤の産まれた時は ほとんどなんでもなかったのに、なんで今さら赤ちゃん返りなんだかわからないけれど 食事は私か住職の膝で食べさせてもらわないとしないし、添い寝しないと寝ないし、すぐにぐずるし、いけないと思いながらもついつい癇癪起こしながら 赤ちゃん顕につきあってます。それに引き換え潤は何でも良く食べるし いたずらもすごいけどマイペースで良く遊ぶし。
 なんて手のかからない子なんだろうと思っていたら ある朝すごいじんましん。びっくりして皮膚科につれて行くと「疲労。夏バテが原因です。」疲労?夏バテ?およそ潤には不似合いな言葉にまたまたびっくり。ごめんネ潤ちゃん、ついついおにいちゃんばっかりで あなたの事ちょっとお留守だったかもしれない。そして思い出すのは私自身の事、親は皆『子供は皆同じように育てた』と言うけれど 神経質な長女の姉とひ弱で気弱な兄を持った末っ子の私は、ほっぽりっぱなしで育ったんだなと再認識している今日この頃です。

 夜、お布団に入ってから顕にお話をしてあげる事があります。定番はやっぱり『むかしむかしあるところに・・・』で始まる桃太郎と浦島太郎。忘れちゃったところは適当に創作して話をしていたのですが、これではいけないと本屋に行って素朴な絵の桃太郎を買ってきました。
 うちに帰ってゆっくり読んでみるとあらあらあら。まず桃は『どんぶらこっこ』ではなく『つんぷくかんぷく』といって流れてくるし、鬼退治した桃太郎は鬼の差し出す宝物を「いらない」と言って受け取らないで、鬼のさらっていったお姫様を連れて帰って自分のお嫁さんにしちゃうし。こんなのありなんでしょうか。
 聞くところによると、最近の『赤ずきんちゃん』や『七匹のこやぎ』は狼を殺さないで説教して逃がしてあげるみたいだし。そりゃたしかに退治して宝物奪っちゃったらまるでかつあげみたいだし、悪い事したからってすぐ殺しちゃうのもどうかと思うけど、お話はお話なのではないでしょうか。
 いじめ問題や現代にそぐわないって事かもしれないけど 私はやっぱりいやだな、お話の世界はそのままに残しておいてほしい。かぐや姫のお迎えがUFOだったり、浦島太郎が潜水艦に乗ったりしたら興ざめだと思いますが。でも知ってました?『シンデレラ』って本当は、王子様のお使いの持ってきたガラスの靴に 足が入らないいじわる姉さんが、自分の足をガラスの靴にあわせてちょんぎっちゃう話だったという事を。およそディズニー映画にはふさわしくない話だったんですね。

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