1995年6月
顕からもらった風邪が治りきらないのに、気温の変化に体がついていけずにつわりのぶり返しのような日々を送っていました。ほとんど食べられなくて 夜もよく眠れないのに おなかの中の赤ん坊だけは順調に育って標準以上だというお医者様のお墨付き。
『お母さんが栄養とってくれないならぼく(私)はお母さんからもらうだけだよ』とばかりに 情け容赦なく私が長年蓄積してきたものを奪い取っていきます。おかげで私は手足がしびれたり体がだるかったり。子どもってなんてエゴイスティックなんでしょう。ここ数日の梅雨寒にだいぶ体調も戻った今日この頃です。
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顕がおなかにいる時は、ひたすら元気だったこともあって 大きなおなかをかかえて電車に乗ってけっこう出かけていました。でも今度は顕もいることだしなんとなく億劫で。だからたまに一人で電車に乗るときは世間に甘えてはいけないと、最悪の場合はずっと立っている覚悟だけはして出かけます。でもやっぱり座れるとほっとするし、ましてや席を譲って頂いたりしたら本当にうれしくなってしまいます。
おもしろいことに自分勝手だといわれている若い方達にずいぶん席を譲って頂きました。OL風のばっちりお化粧をした女性だったり、まだGパンにTシャツのほうが似合いそうなスーツ姿のサラリーマンだったり。
そうそう一度シルバーシートのおじいさんに席を譲られそうになった時は本当に困ってしまいました。だってどう考えたってあのおじいさんが立つよりも私が立っていたほうが危なくないようなおじいさんだったんですもの、丁重にお礼を言ってご遠慮申し上げました。
言っちゃあなんだけど ぜったいに席を譲って下さらないのはいわゆるおばさん。それどころか 私の目の前の席が空いたので座ろうとすると お尻で押し退けてご自分がお座りになったおばさんもいらっしゃいました。よっぽど疲れていたのかもしれないけど 私だって相当おなかが大きくなっていた時だったし マタニティだってしっかり着ていたのに。
おばさん達の言い分もわかります、『お産は病気じゃない』『私達も経験あるけど 誰も席なんか譲ってくれなかった』などなど。ごもっともだけど世間に甘える訳じゃあないけどでもでも・・・。
とりあえずもう一人で出かけなければならない予定はありませんので 世間様に迷惑をかけることもしばらくはないと思いますが 席を譲られたうれしさと席を横取りされた悔しさは一生忘れないだろうと思っています。
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住職に『もうほとんど臨月だし坊守日誌も産休がほしい』と言ったら一笑に付されてしまいました。あの様子じゃあ育休もくれないだろうな、あーあ今から出産後の感想書いておこうかな。
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