1994年8月

 毎日毎日暑い日が続いて 火の玉小僧(顕ちゃん)と毛皮娘(トムちゃん)といっしょに熱がでそうな日を 送っています。
 八王子は日中暑くても夜は涼しいので助かりますが 困るのは顕のお昼寝、眠いのに眠れなくてぐずぐずぐずられるのには かわいそうだしこちらがまいってしまいます。
『顕のためにク−ラ−を買ってくれませんか』と 頼んだところ住職いわく『昔の子はク−ラ−無しで育ったものです』。それなのに今年12才になるトムちゃんが 暑さでばてていると『トムのためにク−ラ−買おうかな』ですって、結局買いませんでしたが まったくもうです。

 覚えておいでの方も多いでしょうが、忘れもしない7/12、八王子方面が大雨と雷で中央線も止まってしまった日。この雷が我が家の山のてっぺんに立てているアンテナに落ちたのです。この日から始まった20日間にわたるテレビの無い生活。いえ正確に言うと、室内アンテナの白黒の小さなおんぼろテレビだけの生活。住職は『テレビなんか無ければ無いでなんとかなるものだ』なんて言いますが、けっこう悲惨でした。まずNHKは特に写りが悪いので『おかあさんといっしょ』が見られなくて顕がかわいそうだったこと。ということはテレビが子守をしてくれないということなので私がかわいそうだったこと。
 そしてきわめつけは番組の中にはカラ−テレビで見るのとはぜんぜん別の物になってしまう物があるということ。特にいわゆるグルメ番組がちっともおもしろくない、いえまったくつまらないということ。
 私たちが毎週かかさず見ている番組に『料理の達人』というちょっとひねったグルメ番組があります。同じ素材で料理を競い合うというたわいない番組なのですが これがけっこうおもしろくて、楽しみにしていました。なのにこれを白黒のテレビで見ると 何を作っているんだかわからないとか どんな物が出来たんだかわからないとかいう事もあるのでしょうが、なにかよくわからないけれどもつまらない。
 テレビの直った今もあのつまらなかった原因がなんだったのかやっぱりわからないのですが、ただ言えることは白黒の時代にはああいう番組は無かったということ つまり白黒の時代には誰もグルメ番組なんか作ろうと思わなかったんですね。
 久しぶりに子供時代に戻ったような白黒テレビの生活を過ごして、前より色鮮やかになったテレビでグルメ番組や旅番組を楽しみながら でもあの頃はテレビを夢中で見ていたなって思い出しています、だって今テレビは日常になってしまって夢中で見ることなんてあんまり無いですものね。

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