1994年5月

 10ヵ月半にもなろうというのに ハイハイもしない アンヨもしないという我が家の御曹司は、今日もご機嫌で3才児用の洋服を着て NHKの『おかあさんといっしょ』を夢中になって見ています。動かないということは、親にとっては楽な事で 側に危ない物さえ置かなければ ほっておけるという事なのですが 顕より体の小さい子が かわいいお靴をはいてヨチヨチ歩いているのを見たりすると ちょっと焦ったりして あわててハイハイの特訓なんかしたりして。まったくしょうがない母親です。
 顕ちゃんゆっくりゆっくりいこうネ、お母さんだって鉄棒の逆上がりなかなかできなかったんだから。

 5月8日の親鸞聖人誕生会の日に 合同初参式が行われました。初参式とは簡単に言えばお宮参りのお寺版というところでしょうか 赤ちゃんが初めてお寺まいりする事です。生後一カ月に満たない本当のあかちゃんから 5才の男の子まで うちの顕もいれて全部で5人。顕の初参式は去年の8月に済んでいるのですが 枯れ木も山のなんとやら、一人でも多いほうがいいだろうと思って。ほのぼのとしたとってもいいお式でした(ちょっと自画自賛)。
 それにしても人生の節目のうち 楽しい事はどうしてみんな神社に取られてしまうのでしょうか。お宮参りしかり 七五三しかり 結婚式しかり。そしてお寺でするのはお葬式ばかり。誤解しないでください お葬式をないがしろにしているわけではありません 亡き人をご縁としてあらためて仏法に会わせていただく(ちょっと受け売り)大切な事だと思っています(これは本当にそう思っています)。でも『おめでとうございます』と言える事もお寺でしたいではありませんか。たとえ天寿をまっとうした大往生だとしてもお葬式にふさわしい言葉ではありませんもの。
 ご存じですか?どれもみなお寺でできる事を 悲しい時辛い時ばかりでなく 嬉しい時楽しい時もお寺にお参りしていただいて その喜びをおすそ分けしてください。とりあえず合同初参式は恒例になるようですので 七五三をぜひお寺で、お待ちしています。
 ところでまったく我が家の息子、初参式で住職がお勤めをしている時、緊張しておとなしくしている他の子供さん達に比べ 『あ−っ、あ−っ、』と大声を張り上げ続けていました。好意的に『さすがお寺の子は お誕生前からお勤めが出来るんだね』なんて過大評価して頂けるとありがたいのですが。

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