2017年9月

去年お骨の忘れ物?落とし物?は、全国で72柱あったそうです。 そのうちなんらかのかたちで身元が判り引き取られたのは、二割弱。残りの八割強は、無縁仏として埋葬されたそうです。
で思い出したのは、この夏亡くなったFさん、92歳。
お骨をうちまでお届けくださったのは、いとこのお孫さん?何親等離れているの。
役所が頑張って、遠い親戚を探しだしたわけでは無く、結婚もなさらず御兄弟もいなかったFさんは、いとこさんとそのお嬢さんとはそれなりにお付き合いはあったようです。
で、90歳を過ぎた頃、ちょっと一人で置いておくのはあぶないと思った御近所の方が、いとこのお嬢さんの所に連絡をくださって。
でも、その頃にはいとこのお嬢さんも、認知が始まっていて。
結局、実際に動いて特養に入れて、アパートを片付けたのは、そのまたお嬢さん、つまりFさんのいとこのお孫さん。
Fさんが特養で亡くなった後、引き取りを拒否も出来ますよって言われたようですが、拒否したらどうなりますか?って聞いたら、公の無縁墓、つまり行き倒れた方や身元不明の方、引き取りての無い方を入れるお墓に納骨しますって言われたそうです。
知っている人だったから、それは気の毒だと思って、お父さんやお母さんのいる延立寺まで、はるばる兄弟そろってお骨を連れてきてくれたのは、私達としては感謝しかありません。
お墓も墓じまいしてくださると言うことなので、先祖の皆さんと一緒に、延立寺のお墓無量光に、お移り頂きましょう。
よく、お年を召された方が、誰にも迷惑かけずにっておっしゃいますが、自分でお骨になることも出来ないし、お骨になった後、一人でお墓まで歩いてはこられません。 気持ちはわかりますが、誰の世話にもならないなんて、言えませんね。 出来る事なら、最後のその日まで、元気で機嫌良く過ごしていたいな、なんて思ってしまう今日この頃です。

末娘夏菜の独り暮らしが始まりました。 もともとあまり家にはいない娘だったけど、やはり家を出たとなると、それなりに感慨深いものがあります。寂しいというのとは違うような気がしますが。
賑やかだった食卓が、一人欠け二人欠けしていくんですね、と言った友人がいますが、負け惜しみではなく、それを自然だと思う私がいます。なにしろ独身時代に独り暮らししなかったこと、私の後悔の一つですから。
独り暮らし、いくつになっても私の憧れですね。(直子)

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