2013年3月

 お彼岸前のこの時期、住職は東ティモールへ行くという予定がありました。都合により取りやめになってしまったのですが。
 二男潤に「お父さん、東ティモールに行くんだって」と言うと、地球儀を持ち出し、くるっと回してぴたっと指さし、「ここだよ」。あっ東ティモールってそこにあるんだ。私、はじめて知りました。
 同じ話を長女夏菜にすると、スマホを取り出しサクサクっと操作して「あっ、東ティモールって国の名前なんだ。お店の名前かと思った」って。イオンモールの親戚だと思ったようです。
 知的障害があり、特別支援学校の高等部に通う二男。中学受験をくぐりぬけて、私立の中学に通う長女。
 法話の先生方が皆さんおっしゃいます。物事を一方から見ては、本当の姿は分からないですよ、いろいろな方向から見ることが大切と。まったくその通りだと思いました。
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 ご法事やご葬儀の時にご門徒の方からよく言われるのは、「初めてなのでよく分からないので、どうぞなんなりと教えてください」。
 こちらも「何か分からない事がありましたら、どうぞご遠慮なさらずにお電話ください」と申します。
 でも、分からないって事は、何が分からないかが分からないので、聞きようがないんですよね。こちらも、何が分からないか分からないから、教えようがないんですよね。子どもに教えるように一から十まで言うわけにはいかないから、とりあえずよくある質問じゃないけれど、持ってくる物や着る服はこういうものを、なんてことは言わせていただきますが、思わぬところにえっという事もあったりして。
 友人たちとでは、ぶっちゃけトークですので、私もいろいろ気づかさせてもらえますし、友人たちも、他では聞けないけれど私には聞けるからといろいろ聞いてきます。
 一番聞かれるのはやっぱりお布施の額。でもこれは本当に答えようがないんです。宗派やお寺によっても違いますので、相手のお寺さんに直接聞くのが一番です。それで「お気持ちで」って言われたら、それこそ幾らでもいいんじゃないでしょうか。いえ本当に。
 うちでは「いかほどでもけっこうです」とお答えしています。額でお気持ちを計ることはしていませんのでご安心を。(直子)

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