2011年3月

「手を合わせるのは、自分のご都合をかなえてもらうためではなく、自分のご都合に気づくためだ」
 これは今、延立寺の門前の掲示板の言葉です。ちょっとドキリとさせられる言葉です。
 この季節、友人たちから冗談半分に「おたくの住職のお経って受験に効果ある?」ってよく聞かれます。
 残念ながらご利益はありません。あったらうちの息子も娘もがんばって塾なんかに通わなくても念入りにお経をあげてもらって超難関校にあっさり合格しているでしょう。
 とは言っても、娘の受験当日の朝、2人で本堂で手を合わせてから出かけましたけどね。
 娘の中学受験の経験をして、世間で言う通り、中学受験って本当に親子二人三脚なんだなって思いました。
 きっと小学校受験ってもっと親がかりなんでしょうね。
 我が家の場合、私の思いから始まった受験だったので、塾選びも学校選びも、まずは私が判断してから娘の意見を聞くという形になってしまい、娘に反旗をひるがえされたらどうしようと思う日々でした。
 長男の中学高校生活を見ていて、3年3年ってなんて短いんだろうと思いました。本当にあっという間でしたから。中高あわせて6年間落ちついて何かに取り組めればと思ったんです。別に勉強ばかりでなく部活でもそれ以外のことでも。
 あともうひとつは、今から3年後、娘の高校受験と二男の特別支援学校の高等部の卒業が重なります。高等部を卒業したら子どもたちは一般的に就職します。その就職は親子でしっかり取り組まないと大変だということを多くの先生方や先輩たちから聞いているので、娘には去年一年しっかり手助けして、安心しておまかせできる中高一貫校に入学してほしかったのです。そして二男には、高等部を卒業する年にまた親子二人三脚で就職に取り組もうと思っています。
 予定通りにいかないのが子育てですが、娘は当人も気に入った第一志望の学校に入学が決まったので、次はしっかり二男に向きあうつもりです。
 実はその前に長男の大学受験が来年あるのですが、これは親は何もできません。せいぜい十何万かかかる受験料をせっせと貯めておくだけですから。
 例年にくらべて大量の花粉が飛んでいますが、我が家にとって今年はちょっとだけ心ウキウキの春です。(直子)

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