2010年7月
我が寺が、縁あってガールスカウトのトレーニングキャンプを引き受けて何年になるでしょう。雨がふったらどうしようという心配をしなくていいトレーニングキャンプ場がある幸せと、いつか団委員長におっしゃっていただきました。
ちゃんとしたキャンプ場でやる本キャンプは、毎年夏休みに二泊三日なり三泊四日なりで行われます。その前に、テントの張り方、火起こしの仕方、飯盒でご飯を炊く練習等々。新しく入団したスカウトや、部門が上がって今までは年長のスカウトやリーダーたちにやってもらっていたことを自分たちでやらなくてらならなくなったスカウトたちの練習のために、一泊二日で週末を利用して行なうキャンプがトレーニングキャンプです。
ご飯は外で飯盒で炊きますが、おかず作りや洗い物は、寺の台所でスカウトたちが作ります。
夕食が終って、食器を洗っているときのこと、私も、隣の台所で洗い物をしていました。食器を洗う子、すすぐ子、拭く子、拭かれた食器を、名前を見ながらそれぞれに分ける子。スカウトたちは皆、キャンプ用の組食器とコップを持っていて、間違えないようにひとつひとつ名前を付けています。明日の朝食のときに間違えないように、きちんと分けていたのでしょう。
それを見ていたリーダーが一言、「それはムダでしょ」と。「きれいに洗われた食器は、誰がどれを使ってもかまわない。最後の食事の後に分ければいいのであって,途中では分ける必要はないよ」
私も目からウロコでした。
誰かが使った食器を汚れたまま使えと言われているわけではないのです。きれいに洗われているのであれば、どれを使っても同じこと。言われてみればレストランだってホテルだって他人が使った食器を使っていますよね。それが名前がついていたことでとらわれてしまっていたのでした。
いい意味でこだわらないことは必要なんだなと思ってしまった出来事でした。(直子)
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