2009年12月

 顕がお財布を落としました。入っていたのはもらったばかりのお小遣い全額と、定期、バスカード、他もろもろのポイントカードなど。
 京王八王子の駅前の駐輪場から自転車を出した時にはあったけど、友だちとしばらくいっしょに走って、途中で別れたあと、ふと気がついてポケットを確認したらなかったと。いつもチェーンでズボンに付けているのに、その日に限ってうっかり付け忘れていたと。
 あわてて駐輪場まで戻ってきたけど、ない。どうしようと情けない声でケータイをかけてきた顕。ともかく、交番に行きなさいと言うしかない私。
 たぶん、情けない顔で一人で八王子の駅前の交番に、自転車を押しながら行った顕。この先は顕から聞いた話。
 おまわりさんに「どうしたの?」って聞かれたから「財布落としました」って言ったら、「どんなの?中に何が入っているの?」って聞かれたから説明したら、「ビンゴ!届いているよ」って。
 まぁどこから見ても中学生か高校生の男の子の財布。入っていたお金もあきらかにお小遣いの額。心ある人がたぶんべそをかいているだろう子どものためにわざわざ交番まで名前も言わずに届けてくださったようです。
 本当にありがたい人がいるものです。大人の世界ではお財布は落としたら現金や金目のものは抜かれてどこかの植え込みにでも捨てられるものと決まっています。そっくりそのまま帰ってくるなんて、ありえない。
 おまわりさんに、「よかったね、これで親御さんに怒られないですむね」と言われたそうですが、そういうわけにはいきません。こってりしっかり絞ってやりました。
 だってバカ息子、生徒手帳さえ持っていなくて、身元を証明する物が何もなくて、なかなか返してもらえなくて、鞄の中の教科書の名前でなんとか許してもらったそうですから。顕くん、青春謳歌するのもいいけど、もうちょっとしっかりしてほしいものです。
 あれやこれやであわただしい毎日です。
 新年が皆さまにとって、我が家にとって、私にとって、いい年でありますように。(直子)

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