2006年3月

 早いもので長男顕も春から中学生になります。
 それで、学校指定の口座を開こうと信用金庫に中学校からもらってきた書類に、あまり深く考えずにすべて住職の名前を書き込んで行きました。そうしたら、だめだって。
 住職の住所を証明するものを見せろって言われても、免許証は本人が持ってるし、保険証は個人カードになったから、私と子どものは持ってるけど、住職のは家だし。
 結局すったもんだの末、すべて書類を書き直し、私名義で口座を開きました。まあ私も保護者ですけど。
 それで思い出したのは、姉が高校生の息子の銀行口座を開こうとしたら断られた話。「本人じゃないとだめだって言われたから、まじめに授業を受けている高校生は自分の口座を持てないんですねって言ってやったわよ」ってすごく怒っていたっけ。そりゃそうだ、銀行の営業時間は授業中ですものね。なんかすごくめんどくさいですね。
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 もうじき顕の卒業式です。
 先輩のお母さま方に聞くと、男の子たちはブレザー等を着る子が多いとか。たぶん一回しか着ないだろう物にお金をかける気がまったく無い私は、いろいろない知恵をしぼったのですが、住職のはいくらなんでもデカすぎ。私のはボタンが逆。誰かのパパのを借りようと思っていたら、住職がこんなのあるよと出してきたのは顕にとってひいおじいちゃんにあたる先代住職のスーツ。三つボタンで細身の衿でレトロなムードはかえって今風。ちょっと私がはおってみると、これはなんとかなるかも。学校から帰ってきた顕に着せてみると袖丈もズボン丈もおなか周りもまるであつらえたみたいにピッタリ。そして私が言うのもなんですが、けっこう似合う。
 これでいこうと決まったのですが、ただ一つの難点は重いこと。昔の良い生地であつらえたスーツですから、本当に重い。なんたって、今の住職のコートとこのスーツの上着を比べたら、スーツの上着の方が重いんですから。
 寺が三田にあった頃を知ってらっしゃる方には「カナエ」と書かれたカタカナのラベルが懐かしい方もいらっしゃるかもしれませんね。今の住職が京都の龍谷大学に入学した時、本当に喜んだという先代住職。ひ孫にあたる顕が小学校の卒業式で自分のスーツを着ることをどこかで喜んでくださっているでしょうか。
(直子)

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