2005年9月
長男顕がデビューしました。ジャニーズ?いえいえ、おつとめデビュー!
我が家の子どもたちは、おなかにいる時から、うちにいる限り朝のおつとめはかかしません。だから、皆、三,四歳で「こーげんぎーぎー」で始まる讚仏偈は空で言えるようになります。また、余裕のある朝は「僕がやる」「私がやる」と住職の椅子に座って、お父さんのかわりをやることも、たびたびあります。でもそれはうちうちの事。およその人のいる前では、一度もありませんでした。
九月の第一土曜日、延立寺婦人会の日。その日は、住職が前もって入っていたお仕事で出掛けなければならなかったので、前坊守の母がおつとめして、皆さんで法話のビデオを見る予定でした。でもその日は土曜日、小学校が休みで、朝から退屈を持て余した顕がぐだぐだと。母が何の気なしに「お父さんの代わり、顕がやる?」ちょっと考えて「おこずかい出る?」と顕。ちょっと問題ありそうだけど、まあいいか。「出るよ」「じゃ、やる」
前もって予定していて考える時間がいっぱいあったら、やらなかったと思います。いろいろ考えると、おなかが痛くなっちゃったり、頭が痛くなっちゃったりと、精神的にちょっとひ弱な顕。はっきり言って夏菜のずぶとさにはぜったいかないません。
式章を首にかけ、皆様にご挨拶をして、おつとめをはじめた顕は、ちょっと緊張気味でしたが、婦人会のおば様方に助けられてなんとか終りました。
住職に「無事終りました」とメールを打つと、「顕がんばったね、えらかったね」と返事が返ってきました。
こうやってひとつひとつステップを踏みながら、成長していくのでしょうか。
顕が得度するまであと四年。急に背が伸びて体がしっかりしてきて、大人びた事を言うようになって、まだまだ先だと思っていた進路の事が、そこまで来ているようで親の私の方がドキドキしてきてしまいました。
♪ ♪ ♪
本当は今回は自閉症の青年が主人公の韓国映画『マラソン』を見てきた話を書いたのですが、「あまりにもストレートすぎる」と住職に脚下されてしまいました。時間がたってストレートでなく書けるようになったらぜひ、書きたいと思います。もしチャンスがあったら、小さな作品ですがご覧になってください。私はいっぱい泣きました。(直子)
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