2004年12月

 末っ子夏菜の七五三のお祝いをしました。お祝着は二人のお兄ちゃんたちも着た、昭和三十九年に先代住職が現住職の五歳のお祝いのために京都で作らせた法衣。
 それを義母が三十数年大事にしまってあったのを、顕が着て、潤が着て、そして夏菜が着ました。先代住職が孫のために作った法衣を曾孫三人が着たのですから、お浄土でおじいちゃんもさぞかし喜んでくださっているだろうなんて、勝手に思っています。えっ、法衣だけじゃ夏菜ちゃんがかわいそうだって。大丈夫です。ピンクの着物も着ましたから。本人が選んだ、母もおばあちゃんも好みにあわないピンクの着物を。まあ、いいんですけどネ。
 
 今回の主役は、延立寺のおばあちゃんこと、前坊守秀子さんの話。御歳七十ウン歳になられて、誘われて犬目の老人会に参加しています。「初めの一年は一応全部に出てみないと」と言って、あれもこれもがんばって参加しているようです。草むしり、カラオケ、日帰り旅行。輪投げ大会には選手に選ばれてしまいました。輪投げに公式ルールとか、公式輪投げボードとかがあるのは御存知ですか?代表になったてまえ練習しなくっちゃと、古ホースで輪を作ろうとしたようですがやはりうまくいかなかったようで、買い物に行くという私たちに「輪投げ買ってきてちょうだい」と。でもスポーツ用品店にもおもちゃ屋さんにもそんなものは売っていなくて、けっきょく老人会の備品をお借りすることになりました。
 それから毎日、ヒマをみつけては駐車場で練習、雨の日はシートを敷いて座敷で練習、時にはお仲間もきていっしょに。かいがあって当日はそこそこの点数だったようです。輪投げってやってみるとけっこうおもしろいということで、老人会の会長さんを通して、公式の輪投げ一式、買っちゃったんです。延立寺の旅行会の宴会の余興になるのか、婦人会のレパートリーになるのか、フラダンスの次は輪投げっていうのもいいかもしれませんね。
 
 なんて一年が過ぎるのが早いんでしょう。本当に子どもらと駆け抜けているような気がします。「今が一番いい時なんだから、ゆっくり子育てを楽しんでね」なんて、はっきり言ってムリです。気がついたら、末っ子が春には一年生です。
 来年もどうぞよろしくお願いします。

(直子)

坊守日誌 INDEX


HOME