2001年5月

 八重桜のピンク、山吹の黄色、色とりどりのツツジ。竹やぶではかくれんぼうのように、あちこちから竹の子が顔を出し、池の鯉と空の鯉のぼりが競って泳ぐ。今の季節は延立寺の庭が一年中で一番にぎやかです。

 今回はしっかり子どもがすべったころんだの話です。
 長男顕の小学校の保護者会に行ってきました。クラス替えも無く、先生も一年生の時からの持ち上がり。新学期の保護者会恒例の恐怖の役員決めも、前年度の学年末にすんでいたので、皆にこやかにほのぼのとした保護者会でした。
 教室の壁一面に貼られた、先生が写した一人一人のスナップ写真。添えられた、子どもたちが書いた「大きくなったらなりたいもの、二年生になってがんばりたいこと」など。
 ○○君大きくなったな、○○ちゃんしっかりしてきて、みんなしっかりした字が書けるようになったな、なんて思いながら見ていて、あっ顕のだと思って見ると、大きくなってなりたいもの「学校の先生」。ちょっとボーッとしていると、目ざとく見つけた他のお母さんたちが冗談半分にからかいながら、「どうするの、あとつぎ」なんて言ってきて、ちょうどそばにいた先生も、「私も、いいのかな、なんて思いながら読んだんですよ」なんて言うものだから教室中大笑いになってしまいました。
 うちに帰ってその話をすると、大笑いする住職、「学校の先生なら両立できるわよ」とあっさりと言い放つおばあちゃん。我が家の茶の間でも二十数年前、現住職の進路先をめぐってそれなりの葛藤があったようです。でもなんとか無事?に住職になって。どうしてもやりたい事に出会ってしまったらしょうがないけれど、できれば住職になってほしいのが親としての本音。
 十年後、順調にいけば長男顕 高校三年生、次男潤 高校一年生、長女夏菜 中学一年生。
 その頃、我が家の茶の間ではどんな家族模様が繰り広げられているのか、十年なんてまだまだ先のような気もするし、振り返ってみればあっと言う間のような気もするし。ちょっとドキドキしていまいました。

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