2000年10月

 ひさしぶりに 夏菜と二人っきりのお昼前。
 いつもだったら、あっちで取りっこ、こっちで誰かが泣いているという凄まじい騒々しいお茶の間が、なんとなくのんびり静か。
 私がすわって書き仕事をしているので、落ち着いて一人遊びをしている娘。やれやれと思ってちょっと目を離していると、「お母さん見て見て」の声。顔をあげると、高さ一m位あるお兄ちゃんの自動車の屋根に乗って得意げな顔。危ないからとおろし、また仕事をしているとどこかで水の音。洗面所をのぞくと「自分でやったの」と言いながら自分もまわりも水びたしになりながら、踏み台まで持ち出して手を洗っている娘。やっぱりまだまだ目が離せません。
 
 幼稚園の運動会がありました。
 雨による順延で平日の運動会になったので例年のような殺気だった場所取りも無く、なごやかムードの運動会でした。
 平日だったので観客がまばらで淋しいかなと思ったのに、思いの外お父さんの姿が多く「週間予報で体育の日が雨と出たとたん有休を取ったんだって」なんて話が聞こえるほど。もちろん我が家のお父さん住職も二十代のパパたちといっしょに、綱引き、親子競技と大活躍で、母も子も大満足の一日でした。
 午後の最初の演目は毎年恒例、年長組の鼓笛隊の演奏です。そのため先生たちはお昼休みに入るとすぐマーチングのために白線を引きます。白線の引かれたフィールド内は子どもたちが入るとめちゃくちゃになってしまうので、お昼休みは当然立入禁止となります。
 これは例年のことで、前もってプリントでお知らせもありますし、当日は放送でも何度も流れます。でも子どもたちは入り込んで走り出すわけで、先生方も何度も声を荒げてどなっても、一人が引っ込んでもまた別の子が出てきてしまう。親は何をしているのかと見ると、仲間とおしゃべりに夢中で、我が子のことなど全然眼中になし。まったく今時の親はと言いかけて、あっと気がついてかたわらを見れば、我が子は私のそばでおとなしくおやつを食べていて、一安心。だから強気に、「まったく、自分の子どもくらい、ちゃんとめんどう見なさいよ」なんて思ったりして。
 最近、子どもを巡る事件や事故で、警察が悪い学校が悪い医者が悪いと他人のせいばかりにする向きがあるようで気になります。たしかにそれらの過失も多いのでしょうけど、親がちゃんと躾けていれば起きなかった事故だって多いんじゃないかなと思います。箸をくわえて歩いていたらどんなに危ないかとか。なんて偉そうに言っても私だってあやしいものです。お兄ちゃんたちもだんだん行動範囲が広くなって、私の目が届かない所で何をしているんだか分かりませんからね。

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